ITPとは関連のない疾患・症状で搬送された場合
救急搬送時に出血症状がなく、観血的処置も不要な場合は、搬送の原因となった疾患の治療を通常通り実施すれば良いが、血栓性疾患を合併した場合の抗血栓療法(抗血小板療法および抗凝固療法)は、血小板数が低値の症例において出血傾向を増悪させる可能性がある。一般的には血小板数5万/μL以上の場合は、通常通りの抗血栓療法が行うことが推奨されるが 2)、抗血栓療法の実施にあたっては、ITPの治療を行っている主治医または専門家と調整の上、抗血栓療法実施の可否や薬剤の投与量、および抗血栓療法中のITPの治療方針を決定していく必要がある。
参考文献
- 柏木 浩和,他.成人特発性血小板減少性紫斑病治療の参照ガイド 2019改訂版. 臨床血液60巻8号 Page877-896.2019.
- Swan D, et al. Thrombosis in immune thrombocytopenia - current status and future perspectives. Br J Haematol . 2021 Sep;194(5):822-834