病院内でVWF含有製剤がすぐに入手できない場合の対処方法

 日常的に出血症状をきたす一部のVWD患者は、VWF含有製剤の在宅自己注射療法を実施している場合があり、これらの患者は自宅に製剤を所持している場合がある。重篤な出血症状により搬送された際、院内でVWF含有製剤がすぐに入手できない場合は、緊急避難的に患者が所持している製剤を(有効期限を確認した上で)使用し、できるだけ速やかに止血治療を開始することを考慮すべきである。

 上記方法によってもVWF含有製剤が使用できない場合には、新鮮凍結血漿(FFP)、またはクリオプレチピテートを用いて、可能な範囲でVWFを補充する必要がある。重篤な出血については血管塞栓術の適応を考慮する。

 その他、補助的な止血治療薬として、トラネキサム酸、イプシロンアミノカプロン酸などの抗線溶剤、カルバゾクロムスルホン酸ナトリウム、ビタミンCなどの血管増強剤なども使用(併用)可能であるが、重篤な出血に対する効果は限定的である。