本診療ガイドは、血友病、von Willebrand病(VWD)、免疫性血小板減少症(ITP)、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、後天性血友病A(AHA)の5つの疾患の患者様が救急搬送された場合に、随伴する出血症状や観血的処置時の止血治療についてお役立ていただくことを目的としています。
本診療ガイドの内容は、様々な学会や研究班から発行されている各疾患のガイドラインを抜粋して引用したものが多いため、これらについては引用文献の記載を割愛しておりますが、各ガイドラインの発行時点から2022年10月までに得られた新しい知見や新規に承認された治療薬に関する記載については、引用文献を掲載しています。各疾患の詳細やエビデンスについては、各ガイドラインあるいは引用文献をご参照ください。
また、ガイドラインや学術論文においては、薬剤の名称を一般名で記載するのが標準的ですが、本診療ガイドにおいては、止血機能異常症の治療経験が少ない読者の混乱をなるべく少なくするために、基本的に薬剤を商品名で記載しています。
止血機能異常症の患者様が救急搬送される原因は様々であり、その対処方法についてのエビデンスがあるものは非常に限られています。したがって本診療ガイドの記載内容には、専門家の意見(十分なエビデンスはない)も多く含まれていることをご了承下さい。
なお、診療方針は個々の患者様ごとに決定していくべきものです。したがって本診療ガイドは患者に提供する医療を強制したり、医療従事者の裁量権を制限したりするものではありません。診療結果についての責任は直接の診療担当者に帰属するものであり、本研究班および本診療ガイドの作成に関わる各種委員は一切の責任を負いません。
本診療ガイドについて、ご意見を募集しております。
今後の改訂作業に役立てたいと考えますので、皆様のご意見を是非お寄せください。
また、本冊子は若干部数の余裕がありますので、追加が必要な場合も以下からお申し込みください。
連絡先:HIV感染血友病患者の救急対応の課題解決のための研究
事務局: 児玉紗織 hatemura@hyo-med.ac.jp