血友病とは関連のない疾患・症状で搬送された場合

 血友病症例が血友病とは関連のない疾患・症状で搬送された場合、出血症状がなく、観血的処置も不要であれば、搬送の原因となった疾患の治療を通常通り実施すれば良い。ただし、血栓性疾患を合併した場合の抗血栓療法(抗血小板療法および抗凝固療法)の実施に関しては、出血傾向を増悪させる可能性がある。抗血栓療法の実施にあたっては、血友病の治療を行っている主治医または専門家と調整の上、抗血栓療法実施の可否や薬剤の投与量、および抗血栓療法中の血友病の治療方針を決定していく必要がある。

参考文献

  1. 藤井 輝久,他.インヒビターのない血友病患者に対する止血治療ガイドライン 2013年改訂版.日本血栓止血学会誌24巻6号 Page619-639, 2013.
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